イベントやオフィスで活躍!映像変換コンバーター、分配器・切替器とは?
2020.08.17映像家庭で使うテレビとレコーダーや、パソコンとモニターなどは、誰でも簡単にケーブルでつなぐことができます。付属でついてくるケーブル類を使えば、何の問題もありません。
では、イベント会場で大きなモニターを使いたいときや、オフィスの会議で複数のモニターを使いたいときにはどうしたら良いのでしょうか。
ビジネス用途においてさまざまなシチュエーションで映像を取り扱う機会が増えてきました。映像を送る機材も、映像を映す機材もいくつもの種類があります。
今回はイベントやオフィスでモニターに映像を映し出す際に使用する、映像変換コンバーター、分配器・切替器についてご紹介します。
まずは基本の映像出力コネクターをおさらい
映像をモニターに映すためには、モニターと映像を出力する機器をケーブルで接続しなければなりません。
機器とケーブルの接続部分であるコネクターには、さまざまな種類があります。ここでは、ケーブル側の映像出力コネクターにはどんなものがあるのかを、簡単におさらいしていきましょう。
HDMI
一般的なデジタル家電やパソコンによく使われています。映像と音声、操作するための信号をこの1本で送ることができるため、機器の接続が簡単です。
デジタル信号を劣化させることなく送ることができ、鮮明な画像で高い音質を楽しむことができます。
DisplayPort
HDMIコネクターと同じように映像と音声、操作するための信号をこの1本で送ることができます。さらに、複数のモニターを使う場合にはモニターからモニターへ数珠つなぎで使うことができるため、よりケーブルをすっきりさせることができます。
DVI
映像のみの出力で、パソコンによく使われています。
コネクターのピンや形状には、デジタル式の「DVI-D」「DVI-I」とアナログ式の「DVI-A」の3種類があるため、適切なケーブルを使うように注意が必要です。
VGA(D-sub 15ピン)
アナログ式の映像コネクターで、パソコンとブラウン管式のモニターをつなぐことを想定していた頃の規格です。
パソコンの周辺機器をつなぐためにいくつかのD-subコネクターが用意されていましたが、その中でモニター接続用の15ピンコネクターのものをVGAコネクターと呼びます。
S端子
セパレート映像端子の略で、こちらもアナログ式の出力コネクターです。映像機器からテレビにつなぐための接続規格です。
プラグの向きに注意する必要があり、ピンが折れやすいので頻繁に抜き差しする場合には向いていません。
映像変換器(コンバーター)とは
最近のデジタル機器には、送受信の機器同士で互いに適当な解像度に設定を合わせる「EDID」という機能がついています。そのため、特別な設定や調整をせずとも、ケーブルをつなぐだけできれいな映像を映し出すことができます。
過去には上記でご紹介したようなコネクター以外にも、さまざまな規格のコネクターがありました。ビデオデッキでよく使用されていた赤・白・黄色のケーブルを新しいモニターにつなげるためには、コネクターを変えるだけではなく、アナログ信号からデジタル信号に変換する必要があります。そして、表示される映像の解像度もモニターに合わせて、適した解像度にしなければなりません。
このように、出力コネクターと入力コネクターが合わないと映像が映せないことや、きれいな映像を映せないことがあります。そのような場合に必要となるのが、映像や音声の信号を別の信号へ変換できる映像変換機(コンバーター)です。
おすすめの映像コンバーター
ここでは、おすすめの映像コンバーターをご紹介します。
JATO online shop マガジン編集部
パソコンのDVI-D出力から、VGAモニターやプロジェクターへ映すことができます。内蔵しているEDIDを使用するローカルモードと、表示する機器側のEDIDを使用するエクスターナルモードの切り替えが可能です。
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S端子や赤・白・黄色のビデオ出力の映像と音声を、HDMIにまとめることができます。コントラスト、ブライトネス、色温度等の調整が可能です。
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HDMIのデジタル信号を、S端子や赤・白・黄色のビデオ出力の映像と音声に分けて送ることができます。映像は全画面表示と元のアスペクト比のどちらにも調整が可能です。
スケーラー機能とは
映像機器の信号には多くの種類があり、また解像度も機器によってさまざまです。映像を映し出すモニターの大きさや解像度もそれぞれ異なります。
出力側から受け取った映像信号を適切な解像度でモニターに送るための機能が、スケーラー機能です。
低解像度から高解像度へ変換するときに、本来の映像にはない画素数を補って可能な限りきれいな映像を送り出すことを「アップスケーリング」といいます。
その逆で高解像度から低解像度へ変換する「ダウンスケーリング」では、多い画素数を削って違和感のない映像を送り出します。
おすすめのスケーラー機能付きコンバーター
ここでは、スケーラー機能を備えたコンバーターをご紹介します。
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アナログ映像信号を最適な表示状態に自動でセットアップしてくれます。映像は全画面表示と元のアスペクト比に調整が可能です。音声はステレオミニジャックから映像と一緒にHDMIにまとめます。
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アナログ映像信号を最適な表示状態に自動でセットアップしてくれます。映像は全画面表示と元のアスペクト比に調整が可能です。
HDMIケーブルを長距離(5m以上)使いたいとき
オフィスやイベント会場などの広い空間では、出力機器とモニターまでの距離が長くなることは珍しくありませんが、実はHDMIケーブルは長距離伝送が得意ではありません。
ケーブルは長くなればなるほど信号が伝わりにくくなり、ノイズやエラーの発生原因になるため、通常HDMIケーブルは5m以下のものを使用することが推奨されています。
どうしても長さが必要な場合は、イコライザ内蔵のケーブルや光ファイバーを使用したケーブルを使うか、長距離伝送ができるSDIケーブルに変換することをおすすめします。
SDIケーブルはTV局などで使われている業務用の規格ですが、1本のケーブルで映像と音声を最大100mまで伝送できるものです。
HDMI長距離伝送におすすめのコンバーター
広い空間でHDMI接続する場合におすすめのコンバーターをご紹介します。
JATO online shop マガジン編集部
デジタル信号の映像と音声を非圧縮で伝送できるSDIケーブルは、長距離伝送に必要不可欠といえます。
分配器・切替器とは
イベントやセミナー会場、会議室でプレゼンをする場合など、1つの出力機器から複数台のモニターへ映像を共有したいときには「分配器」が必要となります。
また、複数の出力機器から1つのモニターへ映像を送りたいときには、都度コネクターの抜き差しをせずに済む「切替器」を使用すると便利です。
おすすめの分配器
ここでは、複数のモニターやプロジェクターへ映像を映し出すときに必要な分配器について、おすすめ製品をご紹介します。
JATO online shop マガジン編集部
EDIDマネージメントとオーディオモードセレクト機能で、出力機器と表示機器の迅速な確立を実現しています。4K解像度で映像を映すことが可能ですが、その際は4K対応のHDMIケーブルの使用が必要です。
おすすめの切替器
ここでは、複数の出力機器から映像を映し出すときに必要な切替器について、おすすめ製品をご紹介します。
JATO online shop マガジン編集部
EDIDマネージメントとオーディオモードセレクト機能で、出力機器と表示機器の迅速な確立を実現しています。こちらも4K対応のHDMIケーブルを使用することで、4K解像度で映像を映すことが可能です。
おわりに
現在はコネクターやケーブル、伝送する信号も、さまざまな規格が混在しています。モニターやスクリーンと出力機器の規格が異なると、接続ができなかったり映像が不鮮明になったりといったことが起こりえるため事前の確認が必要です。
規格が異なる機器同士でも、映像変換器(コンバーター)を使用するときれいな映像を映し出すことができます。また、複数のモニターや出力機器がある場合は分配器・切替器があると便利です。
イベントやオフィスでモニターやスクリーンを使用する際にはぜひご活用ください。
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