紙からデジタルへの移行が進む現代、案内表示やポスターなども、ディスプレイを使ったデジタルサイネージの利用が当たり前になってきました。
特に、ショッピングモールや店舗内の販促広告やご案内、学校や企業・公共施設といった建物の中の表示には、ディスプレイの導入がどんどん進んでいます。
一方で、屋外へのディスプレイ設置は、雨や風、直射日光や温度変化といった環境の影響を受けやすいため導入のハードルが高くなっており、まだまだ従来通りの看板やラミネートしたものを貼り付けていることが多いようです。
ディスプレイを導入することで、
- 静止画だけでなく動画も活用可能に
- 時間帯やターゲットに応じたコンテンツの出し分け
- 画面切り替えによる多言語対応
- 印刷や貼付が不要で手間やコストの削減も実現
といった、さまざまなメリットがあります。

「屋外であってもディスプレイを設置できるの?」
「雨やホコリで壊れない?」とお悩みの方に向けて、今回は、屋外にディスプレイを設置するための方法3選をご紹介します。それぞれのメリットデメリットを比較し、向いている用途や選び方のポイントもご紹介しますので、ご参考になれば幸いです。
屋外にディスプレイを設置する方法3選
屋外対応のディスプレイを使用する
1つ目は、屋外でも使用できるように設計された屋外対応のディスプレイを使用する方法です。
IP56などの、防水・防塵性能が保証されており、雨やホコリの影響を受けずに使用できます。
※IPXXなど保護等級について詳しくはこちらの記事から 「防水?防塵?保護等級IPコードの基礎知識と屋外設置時のポイント」 https://www.jato.jp/magazine/audio/ip_code/
また、ディスプレイで「屋外対応」の製品は、画面の輝度も屋外に対応した高輝度の仕様になっており、太陽光のあたる環境でも視認性を確保することができるなど、さまざまな環境で安心して使用できます。
一方、ディスプレイ本体の価格が高価になることや、生産・販売しているメーカーが限られており、希望のサイズや仕様の製品が見つからないといった弱点も。
多くの方に情報を届ける必要がある場面で常設のディスプレイとして設置される場合には、屋外対応のディスプレイを採用することが多いようです。

メリット
- ディスプレイ自体が防水・防塵仕様なのでそのまま使用可能
- 高輝度で明るい場所での使用も安心
デメリット
- コストが高い(通常のディスプレイに比べて高価)
- サイズや仕様の選択肢が限られる
- 衝撃などから守るためには別途保護が必要
おすすめ用途
- デジタルサイネージ
- 駅や空港などでの情報表示
- 商業施設の屋外広告やイベント会場
特注の屋外設置用ケースを使用する
2つ目は、特注のケースを製作し、通常のディスプレイを屋外対応仕様にする方法です。
ケースの形状や機能を、1から設計することができるため、さまざまなサイズや仕様のディスプレイを屋外に設置することが可能となります。
ディスプレイのサイズに合わせて設計できるだけでなく、塩害対策や空冷用のファンの搭載、色や形状のカスタマイズなどもでき、環境に応じた柔軟な対応ができます。
学校の構内や企業・公共施設の屋外などで、特注のケースを利用して屋外設置されているディスプレイを目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

メリット
- ディスプレイを自由に選択できる(高輝度モデル推奨)
- 環境にも柔軟に対応可能
デメリット
- 設計・製造をするため初期コストが高い
- 製作期間が必要で納期が長くなる
おすすめ用途
- 施設の入り口での案内など大型ディスプレイの屋外設置
- 塩害対策が必要など特殊な環境

汎用のディスプレイケースを使用する
3つ目は、汎用のディスプレイケースを使用して、通常のディスプレイを屋外対応仕様に近づける方法です。
汎用のケースを使用する場合、ディスプレイのサイズにあったケースを選ぶだけで、手軽に防塵・防水対策が可能になり、コストを抑えて屋外にディスプレイを設置するサポートができます。
たとえば、The Display Shieldは、IP55に準拠した防塵・防水性能を持つ汎用ディスプレイケースです。
36~65型までのディスプレイに対応可能な4種類のラインアップを展開しています。
ポリカーボネート製のフロントパネルで耐衝撃にも優れているため、公園やゴルフ場のようにボールが当たる場所などに設置したい場合にもおすすめです。

メリット
- 既存ディスプレイの活用も可能(高輝度モデル推奨)
- コストパフォーマンスが高い
- 比較的軽量で設置・取付も簡単
デメリット
- サイズに限りがあり、超大型ディスプレイなどには対応できない
- 直射日光や高温環境などには適さない
おすすめ用途
- 飲食店入口のメニュー表示
- ホコリが多い環境など、雨以外からもディスプレイを守りたい場所
- イベントや仮設での設置など

屋外にディスプレイを設置する際の注意点
輝度の確認
一般的に、屋外では日光の影響で画面が見えにくくなります。
ひさしの下や直射日光が当たりにくい環境では、700~1000cd/㎡以上、直射日光のあたる環境では、1500cd/㎡以上の輝度が推奨されています。
屋内用のディスプレイでは、300~500cd/㎡程度のものも多いため、ケースを使用しての屋外設置を検討している場合には、ディスプレイの輝度の確認が必要です。
防塵・防水性能のない屋内用ディスプレイでも1000cd/㎡以上に対応する「高輝度モデル」が存在します。
視認性を確保するため、そのような明るいディスプレイを選ぶことをおすすめします。
温度の管理
ディスプレイの使用温度は40℃程度までであることが一般的です。
屋外対応のものでは、一部60℃程度まで対応可能なものもありますが、使用温度については屋内対応製品と同程度のことも多く、極端な高温下では使用ができません。
一方、日本の夏の暑さは厳しく、直射日光のもとではあっという間に40℃を超えてしまいます。
こういった環境での使用はディスプレイの故障につながります。
直射日光のあたらない場所への設置や、特注ケースへの冷却ファン搭載などにより、ディスプレイの使用可能な温度を守ることが必要となります。

設置場所と角度の調整
輝度や温度にも関係しますが、なるべく直射日光のあたりにくい場所への設置や、視認性を考慮した角度に設置を行うことで同じディスプレイであっても、より見えやすく、快適に使用することができます。
たとえば、軒下への設置、画面に直射日光のあたりにくい角度や、人の目線の位置から見えやすい角度への設置により、視認性の改善が期待できます。
また、可能であればひさしのように日差しを遮るものを設置して、直射日光があたらないようにするなどの工夫をするとよいでしょう。

衝撃やいたずらへの対策

屋外にディスプレイ設置する場合、屋内に比べて監視の目が行き届きにくくなります。
特に不特定多数の人が行き交う環境では、事故やいたずらによるディスプレイ破損のリスクも少なくありません。
最近ではスマホやタブレットが普及し「画面はタッチで操作できる」という感覚が当たり前になってきたことで、操作できない画面を強い力で触ってしまう子供たちも少なくないと聞きます。
特注のケースや汎用のケースを使用することで、このような衝撃からもディスプレイを保護することが可能になります。
屋外対応のディスプレイを設置する場合であっても、ディスプレイ本体を保護するために別途ケースが必要となる場合もあります。
まとめ
屋外にディスプレイを設置するための方法は、大きく3つあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
- 屋外対応ディスプレイ→コストはかかるが、信頼性が高い
- 特注の屋外用ケース→初期コストが大きいが、自由度が魅力で特殊な環境にも
- 汎用の屋外用ケース→簡易的ではあるが、コストを抑えて手軽に短納期で導入が可能
それぞれの特徴を理解して比較することで、用途に合った方法を選びましょう。
汎用ディスプレイケースの活用案
屋外に設置する案内表示に動画も活用したい。多言語に対応したい。コンテンツ切り替えの手間やコストを削減したいといったニーズは多くあります。
しかし、屋外対応のディスプレイの導入や、特注のケースを製作はコストもかかるし難易度が高く、導入に踏み切れないという声も少なくありません。
そのようなお悩みをお持ちの場合、まずは低コストで実現できる汎用ディスプレイケースを使った屋外対応をおすすめします。
JATO online shopがおすすめする汎用ディスプレイケース「The Display Shield」の活用案をご提案いたします。
汎用のケースで大丈夫?どれくらい守れるの? →IP55に準拠した防塵・防水性能で水圧の高いホーズの水にも耐えられます。 ゴルフボールやハンマーが当たっても割れない耐衝撃性を備えています。 詳しくはこちらの動画をご確認ください。 https://www.youtube.com/watch?v=JlXzBnmmmdg

設置場所と活用例
設置場所 | 活用例(表示内容) |
---|---|
バス停や駅 | 時刻表・バスや列車の接近情報 |
観光施設 | 観光案内・説明の多言語表示 |
スーパーの入り口 | 本日の特売品案内、店舗PR動画 |
病院・公共施設 | 案内や待ち時間の表示、呼び出し中の受付番号 |
飲食店 | おすすめメニューの多言語案内、集客への活用 |
ガソリンスタンドなど屋外の店舗 | 店舗からのお知らせ、広告情報 |
このようにさまざまな場所で活用が可能です。
「ディスプレイシールド」の名の通りディスプレイを守る盾となる「The Display Shield」。
- 屋外での雨などからの保護
- 工場の中や道路沿いのようにホコリやススの多い環境における防塵
- 体育館やゴルフ場のようにボールが飛んでくるリスクのある場所などでの衝撃からの保護
これまでディスプレイの設置を諦めていたさまざまな環境へのディスプレイ設置を実現可能です。
The Display Shieldはどこで買えるの?
さまざまな場所にディスプレイを設置することができるThe Display Shieldは、JATO online shopで取り扱っております。
この記事が、屋外にディスプレイを設置したいけれど方法がわからない、屋外対応のディスプレイの購入や、特注ケースの製作にはなかなか踏み切れないというお悩みをお持ちの方にとっての、屋外へのディスプレイ設置の際の選択肢の一つとなれば幸いです。


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